会社移転で必要な手続きを徹底解説 【必要書類一覧あり】
2023-02-22 2025-12-18

本記事はこんな方におすすめです
- 「会社移転に必要な手続き」について詳しく知りたい方
- 初めて「会社移転の手続き」を行うので不安な方
- 「いつまでに」「どのような書類を」「どこに」提出すれば良いかを知りたい方
会社移転に際し、公的機関を含めた諸機関に対してさまざまな手続き・届出を行う必要があります。
手続きによって提出期限、提出先が異なるため、進め方に悩んでいる経営者や担当者の方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では以下についてまとめました。
- 会社移転で必要な手続き一覧
- 会社移転前に必要な手続き2つ
- 会社移転後「すぐに」行いたい手続き4つ
- 会社移転後「◯日以内と決まりのある」手続き4つ
- 会社移転で重要な「その他の手続き」3つ
これらを参考にすることで、会社移転に必要な手続きを時系列で把握できるため、事前準備をした上で、漏れなくスムーズに手続きを進められるようになります。
目次
- 2.会社移転前に必要な手続き2つ
- 2−1.転居届|郵便局
- 2−2.新事務所での消防関連手続き|消防署
- 3.会社移転直後「すぐに行いたい」手続き4つ
- 3−1. 移転登記申請|法務局
- 3−2. 法人税の納税地異動届|税務署
- 3−3. 法人事業税の納税地変更届|都道府県税事務所
- 3−4. 自動車保管場所証明申請|警察署
- 4.会社移転後「◯日以内と決まりのある」手続き4つ
- 4−1. 健康保険・厚生年金保険適用事務所名称・所在地変更届|年金事務所
- 4−2. 労働保険に関する住所変更手続き|労働基準監督署・公共職業安定所
(ハローワーク) - 4−3. 給与支払事務所等の移転届|税務署
- 4−4. 法人の設立・設置・変更等に伴う届出|市区町村
- 5.会社移転で重要な「その他の手続き」3つ
- 5−1. 旧オフィス・旧事務所の解約通知
- 5−2. 電話回線・インターネット回線の移転・切り替え
- 5−3. 銀行・クレジットカードの住所変更手続き
会社移転で必要な手続き一覧
会社移転に必要な手続を一覧にまとめました。
各種手続ごとに、どこへ、いつまでに提出が必要かがわかります。今後のスケジュール作成にお役立てください。
| 手続き内容 | 提出先 | 提出期限 |
| 転居届 | 最寄りの郵便局 | 移転日の10日前 |
| 新事務所での消防関連手 続き | 移転先の管轄消防署 | 防火対象物工事等計画届: 工事着手の7日前 防火・防災管理者選任・解任届: 新事務所使用開始までに 消防計画作成・変更届: 新事務所使用開始までに |
| 移転登記申請 | 移転前の管轄法務局 | 本店移転登記申請: 移転後2週間以内 支店移転登記申請: 移転後3週間以内 |
| 法人税の納税地異動届 | 移転前の管轄税務署 | 移転後すぐに |
| 自動車保管場所証明申請 | 移転先の管轄警察署 | 移転後すぐに |
| 健康保険・厚生年金保険 適用事務所 名称・所在地変更届 |
移転前の管轄年金事務所 | 移転後5日以内 |
| 労働保険名称・所在地等 変更届 | 移転先の管轄労働基準監督署 | 移転後10日以内 |
| 雇用保険事業主事業所各種 変更届 | 移転先の管轄公共職業安定所 (ハローワーク) |
移転後10日以内 |
| 給与支払事務所等の移転届 | 移転前の管轄税務署 | 移転後1ヶ月以内 |
| 法人の設立・設置・変更等 に伴う届出 | 移転前の管轄市区町村 | 移転後30日以内 |
| 旧オフィス・旧事務所の 解約通知 | 旧オフィス・旧事務所の貸主 または管理会社 |
退去日の6ヶ月前 |
| 電話回線・インターネット 回線の移転・切り替え | 契約会社 | 移転が確定した時点で連絡 |
| 銀行・クレジットカードの 住所変更手続き | 契約会社 | 移転日までに |
会社移転前に必要な手続き2つ
- 転居届
- 新事務所での消防関連手続き
それぞれについて、詳しく見ていきましょう。
転居届|郵便局
「新住所への転送開始日」を指定できるので、会社移転日が分かり次第手続きを行うことが可能です。
注意点として、転居届を提出してから転送開始されるまでに3〜7営業日を要することです。そのため、余裕を持って手続きをしましょう。
手続き方法は、郵便局窓口、ポスト投函、オンライン(e転居)の3つです。
詳しくは下記をご覧ください。
新事務所での消防関連手続き|消防署
- 防火対象物工事等計画届
- 防火対象物使用開始届
- 防火・防災管理者選任・解任届(※新事務所で従事する社員が50名以上の場合)
- 消防計画作成・変更届(※新事務所で従事する社員が50名以上の場合)
防火対象物工事等計画届
防火対象物工事等計画届は、新事務所で内装工事(間仕切りの変更、天井・床・壁の変更、模様替えなど)を行う場合に、会社移転後の管轄消防署に対して行う手続きです。
手続きの期限は、工事着工の7日前です。
ただし、内装工事を一切行わず居抜きで入居する場合や、天井に達しないローパーテーションの設置のみ行う場合などは、届出の必要はありません。
必要な書類や書式は、管轄の消防署によって異なりますのでHPを確認しましょう。
ここでは一例として、東京都への申請で必要な書類をご紹介します。
【例.東京都への申請で必要な書類】
※詳しくはこちらをご覧ください。
防火対象物使用開始届
防火対象物使用届は、新事務所使用開始の7日前までに、会社移転後の管轄消防署に対して行う手続きです。
※詳しくはこちらをご覧ください。
→防火対象物の使用開始の届出|東京消防庁防火・防災管理者選任・解任届/消防計画作成・変更届
会社移転後の新事務所に従事する社員が、50名以上の場合に必要です。(社員が50名未満の場合、手続きの必要はありません)
期限は定められていませんが、新事務所の使用を開始するまでに以下の書類を提出しましょう。
※申請書様式の例はこちらです。(東京消防署の例)
※詳しくはこちらをご覧ください。
会社移転直後「すぐに行いたい」手続き4つ

会社移転直後、「すぐに行いたい」手続きは以下の4つです。
- 移転登記申請|法務局
- 法人税の納税地異動届|税務署
- 事業開始等申告|都道府県事務所
- 自動車保管場所証明申請|警察署
それぞれについて、詳しく見ていきましょう。
移転登記申請|法務局
会社移転に伴い、登記事項である「本店及び支店の所在場所」が変更となるため、指定期間内に手続きを行うことが法律により定められています。
また、移転対象が本店か支店かで提出書類や期限が異なります。
- 本店移転の場合:本店移転登記申請書を移転後2週間以内に提出
- 支店移転の場合:支店移転登記申請書を移転後3週間以内に提出
移転登記申請を会社移転後すぐに行わなければならない理由は、以下の2つです。
- 1.会社移転後に行う他の手続きにおいて、会社移転後の所在地を証明する「履歴事 項全部証明書(登記簿謄本)」の提出が求められるため
- →移転登記申請完了後、会社移転後の管轄法務局で取得できます。
- 2.期限を守らなければ罰則が発生する可能性があるため
- →会社移転後の移転登記申請は会社法にて義務付けられており、期限を過ぎると代表者個人に対して100 万円以下の過料が発生する可能性があります。
よって、会社移転後は、まず移転登記申請を優先して行いましょう。
※申請書様式はこちらです。
※詳しくはこちらをご覧ください。
→商業・法人登記申請手続|法務局法人税の納税地異動届|税務署
移転前の管轄税務署に対して、「異動届出書」を移転後遅滞なく提出します。
- 異動届出書:PDF
※詳しくはこちらをご覧ください。
※移転先を管轄する「税務署」の確認はこちらから
法人事業税の納税地変更届|都道府県税事務所
納税地変更届は、法人事業税(都道府県税)の納税地変更に関する手続きです。
会社移転前と移転後両方の管轄都道府県税事務所に対して、会社移転後遅滞なく申請書類を提出します。
申請書様式は、都道府県によって異なるため、詳しくは各都道府所管HPにて「法人事業税」の項目を確認しましょう。
自動車保管場所証明申請|警察署
特に期限は定められていませんが、社用車を保有するためには自動車保管場所証明申請書(PDF・記入例)を提出し、「自動車保管場所証明」を取得する必要があります。
よって移転前の事務所から引き続き車両を保有するのであれば、移転後すぐに手続きを行う必要があります。
※詳しくはこちらからご覧ください。
※移転先を管轄する「警察署」の確認はこちらから
会社移転後「◯日以内と決まりのある」手続き4つ

健康保険・厚生年金保険適用事務所名称・所在地変更届|年金事務所労働保険に関する住所変更手続き|労働基準監督署・公共職業安定所(ハローワーク)給与支払事務所等の移転届|税務署法人の設立・設置・変更等に伴う届出|市区町村
健康保険・厚生年金保険適用事務所名称・所在地変更届|年金事務所
事務所の移転が管轄内で行われるのか、管轄外で行われるのかによって、申請書様式や記載要項が異なります。
※申請書様式はこちらです。
※移転先を管轄する「年金事務所」の確認はこちらから
→管轄の年金事務所を探す(全国の相談・手続き窓口|日本年金機構)
→管轄の年金事務所を探す(全国の相談・手続き窓口|日本年金機構)
労働保険に関する住所変更手続き|労働基準監督署・公共職業安定所(ハローワーク)
提出書類は、「労働保険名称・所在地変更届」と「雇用保険事業主事業所各種変更届」の2種類です。
労働保険に関する手続きの流れは、会社が一元適用事業(※1)に該当するのか、二元適用事業(※2)に該当するのかによって異なります。
詳しい手続きの流れは、以下の表をご確認ください。
※移転先を管轄する「労働基準監督署」「ハローワーク」の確認はこちらから
※1 一元適用事業 労働保険
(労災保険+雇用保険)に関する情報の手続きや申告を一元で行う会社で、ほとんどの業種(二元適用事業以外)が該当する
※2 二元適用事業
労働保険を、労災保険と雇用保険別々に扱い、手続きや申告を行う会社で、農林水産業・建設業等が該当する
詳しい手続きの流れは、以下の表をご確認ください。
| 手続きの流れ | |
| 一元適用事業 | ①会社移転後の管轄労働基準監督署へ「労働保険名称・所在地変更届」を提出する ②会社移転後の管轄ハローワークへ「雇用保険事業主事業所変更届」と、①で提出した「労働保険名称・所在地変更届」の控えを提出する |
| 二元適用事業 | ①会社移転後の管轄労働基準監督署へ「労働保険名称・所在地変更届」を提出する ②会社移転後の管轄ハローワークへ「労働保険名称・所在地変更届」と「雇用保険事業主事業所変更届」を提出する |
ただし、都道府県をまたいで移転する場合、移転前の労働基準監督署で清算を行い、移転先の労働基準監督署で新たに労働保険に加入する必要があるため、注意しましょう。
※申請書様式はこちらです。
給与支払事務所等の移転届|税務署
※申請書様式はこちらです。
- 給与支払事務所等の開設・移転・廃止の届出:PDF
※詳しくはこちらをご覧ください
※移転先を管轄する「税務署」の確認はこちらから
法人の設立・設置・変更等に伴う届出|市区町村
尚、法人住民税は地方税のため、各自治体によって申請書類や提出期限が異なります。各自治体のHPを確認しましょう。
※自治体の検索はこちらから
※申請書様式(東京都の例)
会社移転で重要な「その他の手続き」3つ

会社移転において重要な「その他の手続き」は以下の3つです。
- 旧オフィス・旧事務所の解約通知
- 電話回線・インターネット回線の移転・切り替え
- 銀行・クレジットカードの住所変更手続き
詳しく見ていきましょう。
旧オフィス・旧事務所の解約通知
退去日までに、旧オフィス・旧事務所からの撤退と原状回復工事を全て終了し、明渡しを行える状態にしておかなければなりません。
契約によって解約通知期間は異なるため、早めに旧事務所の賃貸借契約書を確認し、手続きを終えておきましょう。
電話回線・インターネット回線の移転・切り替え
契約会社へ連絡する際は、旧オフィスでの稼働終了日と、新オフィスでの稼働開始日を伝えます。業務に支障が出ないよう、早めに手続きを行うことが重要です。
銀行・クレジットカードの住所変更手続き
登録住所変更の際には、届出印や印鑑証明書などが必要となります。Web上での手続きが可能なケースもありますが、不明点があれば移転前に契約会社に直接問い合わせましょう。
会社移転の手続きは締切あり!事前の準備が重要
やるべき手続きが多く、何から手をつければ良いかわからない方は、本記事の項目を上から順番に確認していきましょう。
移転後に行う手続きもありますが、移転前から計画的に、必要書類の準備・確認を進めておくことが重要です。